家事をラクにしたり、導線をスムーズにしたりするためには間取りを変えるような大規模リフォームをせずとも、意外にもドアの種類を変えるだけで快適になることがあります。そのため、ドア選びは重要です。
暮らしを快適にするうえで、ドアの種類がどのように影響を与えるのか、問題点や用途に合わせてどんなドアを選ぶと良いのか、ドアリフォームのポイントと共にご紹介したいと思います。
1.用途・目的別 使いやすいドアの種類
ドアの種類には大きく分けて、開き戸、引き戸、折戸があります。それぞれのドアが、どんな問題を解決して、どんな用途や目的に合っているのか、暮らしを快適にするのかをご紹介したいと思います。
■開き戸
・気密性が高く音漏れを防ぎたい:気密性が高いため、室内の空気を逃がさず、臭い漏れ、音漏れなども最小限に防げます。
・リフォーム費用を抑えたい:ドアの中では商品代が安いため、ドアの数が多い場合は開き戸を採用することでリフォーム費用を抑えることが出来ます。
■引き戸
・開閉のための動作を最小限におさえたい:左右どちらかに引いて開閉する扉で、体の位置を変えずにドアの開閉が行えます。そのため、高齢の方や車いすの方などに適したバリアフリーなドアと言えます。
・部屋を出来るだけ広く使いたい:壁に沿って開閉するため、部屋側にドアを開閉するためのスペースを確保する必要がありません。そのため、家具のレイアウトの幅が広がったり、狭いスペースでもドアを設けたりすることが出来ます。
●アウトセット引き戸
・引き戸にしたいけど抜けない柱や筋交いがある:一般的な引き戸は壁の厚み内に引き込む造りですが、アウトセット引き戸は壁の厚みはそのままで壁の外側に引く造りになっています。そのため、柱や筋交いを動かすことなく引き戸を設けることが出来ます。
・引き戸のドアを閉めた時のレールや壁の凹凸が気になる、掃除がしにくい:一般的な引き戸では、ドアを引き込むスペース分、壁の厚みが狭くなっているためレールに埃が溜まることや、見た目が嫌いという方も少なくありません。アウトセット引き戸や下にレールのない上吊り戸であれば、掃除がしやすく壁がスッキリします。
■折戸
・クローゼットなど中身全体を見渡せるようにしたい:押入れのように引き違い戸にするとドアが半分残ってしまうため、収納内全体を見渡すことが出来ませんが、折戸にすることで中身全体をオープンに見渡すことが出来るうえ、開き戸ほど前面にスペースの必要がなく、ギリギリまで家具を置くことが出来ます。
・引き戸は設置できないが開閉スペースを出来るだけ抑えたい・ドア同士を同時に開けると当たってしまう
:開閉時にドアが折れるため、開き戸に比べ開閉のスペースが半分以下ですみます。そのため狭い廊下に面したところや、ドア同士が開けると重なるところに最適です。
2.ドアをリフォームする時のポイント
目的に合ったドアの種類にリフォームすることで、暮らしやすくなります。しかし、ドアの種類以外にも注意すべき点がいくつかあります。ドアをリフォームする時に意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。
■ドアが集まるスペースに注意!
用途に合うことを優先的に、ドア選びをする際には、リビングや廊下など各部屋のドアが集まる場所の見た目や導線に注意しましょう。
サイズや高さ、デザインがバラバラなドアが同じ空間にあると統一感のない空間になってしまいオシャレさに欠けます。ドアの種類は違っても色や高さを揃えることを意識しましょう。引き戸や開き戸でも、同じメーカーの同じグレードのものを選べばデザインを揃えることが出来ます。あえてデザインを変えてアクセントにすることも出来ます。
また、ドアが多い場所では、開き戸を開けた時に他の開き戸に当たってしまったり、部屋を出ると目の前に開けたドアがきてしまったりと、導線を遮ることになったという失敗は少なくありません。ドアの種類や位置を変える時には、平面上で入るかどうかだけではなく、実際にドアを開閉した時に他の場所に影響しないかどうかも確認しておきましょう。
■ドアを無くすという方法もアリ!?
使いやすさを追求すると、ドアそのものを無くしてしまうことで使いやすくなる場合もあります。
例えば、キッチンとパントリーを行き来するドアは、頻繁に通り抜けをすることや、食材を持ち運ぶこと、キッチンという比較的狭い空間であることを考えると、ドアが無い方が開閉の手間がなく動作がスムーズになります。しかも、開けた時にドアが邪魔になることもないので便利です。ドアを無くしても枠だけを付けたり、開口部分をアールにしたりすることで、オシャレにすることも出来ますし、カーテンやロールカーテンを付けて、来客時だけ中が見えるのを隠すことも出来ます。
ドアの種類を検討する時は、ドアを無くして開口だけにするという選択肢も取り入れてみることはおススメです。音漏れや臭い漏れ、冷暖房の効き具合などを考慮に入れて、ドア無しも検討してみましょう。
3. まとめ
間取りを変えるような大がかりなリフォームをせずとも、ドアの種類を変えるリフォームによって暮らしやすくなることがあります。気密性を上げ、音漏れや臭い漏れを防ぎつつリフォーム費用を抑えるには開き戸を、最大限に部屋を広く使い、ドアの開閉時に体を動かさずにすむ引き戸は高齢者や車いすの方に人気です。また、収納内全体を見渡せるように折戸を採用したり、動作を減らしてスムーズに行き来できるようにドアを無くして開口だけにしたりする方法もあります。
ドアの種類を変えることで、暮らしの中の問題点が解決されないか、より暮らしやすくならないか、ドアリフォームを検討してみましょう!
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