家づくりにおいて、第一印象を左右する外壁選びは非常に重要です。
しかし、外壁材をどう選ぶとよいのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか?
住宅の外壁材には、いくつかの種類があり、それぞれ意匠や性能など特徴が異なるため、ある程度理解したうえで選ぶことがポイントとなります。
そこで今回は、住宅で使われる外壁材について、おもな種類と特徴などを詳しく解説したいと思います。
住宅の外壁材の種類について
住宅の外壁材にはいくつかの種類がありますが、代表的なものといえば以下の3つが挙げられます。
・サイディング
・モルタル
・ALC
これらのうち、最も多く使われている外壁材は「サイディング」であり、現在の新築住宅では、外壁材全体の90%程度と圧倒的なシェアを占めています。
そして「モルタル」が7%程度、「ALC」が1%程度と続きます。
サイディングの特徴について
サイディングとは、板状に加工された外壁仕上げ材のことで、新築戸建て住宅で使われる外壁材のなかで、主流となっているものです。
そして、サイディングは、さらに以下の4つに分類されます。
・窯業サイディング
・金属サイディング
・樹脂サイディング
・木質サイディング
窯業サイディング
窯業サイディングとは、おもにセメントと木質繊維を原料とした外壁仕上げ材です。
新築戸建て住宅で最も採用されているのは窯業サイディングであり、サイディングのなかでも80%以上を占めるなど、最も採用されているものになります。
おもな特徴として、材料コストが安いことやバリエーションが豊富であること、防火性に優れることなどが挙げられます。
また、一方で、目地のコーキングは劣化しやすい傾向にあり、こまめなメンテナンスが必須となることは注意が必要です。
金属サイディング
金属サイディングとは、ガルバリウム鋼板やアルミなどを板状に成型し、裏側に断熱材を張って一体化した外壁仕上げ材です。
非常に軽量で施工性に優れることから、リフォーム市場では非常に高いシェアを占めるものになります。
おもな特徴として、カバー工法にすると断熱性や防音性を新たに付加できること、耐久性に優れることなどが挙げられます。
また、一方で、金属であるため錆びが生じることがあり、外的な衝撃によるキズやへこみなどには注意が必要です。
樹脂サイディング
樹脂サイディングとは、塩化ビニール樹脂を原料とした外壁仕上げ材です。
アメリカの住宅で主流となっているものですが、日本国内では、取り扱いメーカーや施工業者が少なく、需要は限定的となっています。
おもな特徴として、耐久性や耐候性に優れること、非常に軽量であることなどが挙げられます。
木質サイディング
木質サイディングとは、天然木をそのまま板状に成型した外壁仕上げ材です。
天然木の素材を活かした材料であり、防火性に劣るとして需要は限定的でしたが、近年では防火構造認定を受けたものも多く登場しています。
おもな特徴として、素材特有の趣があること、断熱性に優れることなどが挙げられます。
モルタルの特徴について
モルタルとは、セメントに砂と水を加えて混ぜ合わせたものをいいます。
左官職人の手作業により、外壁面へモルタルを塗り、その上に塗装して仕上げる方法が一般的なモルタル仕上げです。
住宅の外壁モルタル仕上げは、サイディングが普及する以前の住宅の外壁で主流となっていました。
現在では、サイディングに取って代わられましたが、左官職人の手作業によって現れる特有の表情は非常に美しく、一部で根強い人気があります。
おもな特徴として、目地のない美しい仕上がりが実現できることや防火性が優れることなどが挙げられます。
また、一方で、初期コストが高くなることや経年劣化によるひび割れが起こりやすいことなどは注意が必要です。
ALCの特徴について
ALCとは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の頭文字をとったもので、「軽量気泡コンクリート」という意味があります。
セメントやケイ石などを主原料とし、内部に無数の気泡を持たせることにより軽量化した外壁仕上げ材です。
住宅の外壁で使用するALCパネルは、表面に凹凸のあるデザインを加工しているものが多く、塗装を施すと、重厚で高級感のある仕上がりが実現できることが魅力となっています。
おもな特徴として、防火性や断熱性、遮音性など多くの性能面で優れていることや地震に強いことなどが挙げられます。
また、一方で、他の外壁材と比べて高額であることや塗装前は吸水しやすいことなどは注意が必要です。
まとめ
住宅で使われる外壁材には、さまざまな種類がありますが、それぞれ特徴が異なるため、ある程度理解して選択するとよいでしょう。
また、外壁材は、いずれも定期的なメンテナンスが必要となります。
現在主流の窯業サイディングは、およそ10年を目安とし、塗り替えやカバー工法、あるいは張り替えなどの方法によって建物の長寿命化を図ることがポイントです。