システムキッチンのレイアウトには、人気のアイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンを始め、L型やU型などさまざまな種類があります。
しかし、キッチンはレイアウトの選び方によって、コストに大きな影響を与えます。そこでおすすめしたいのが「I型キッチン」です。
この記事では改めて見直したい、I型キッチンの魅力をご紹介します。
I型キッチンの種類
I型キッチンには、システムキッチン・コンパクトキッチン・セクショナルキッチンがあります。
システムキッチンは扉・シンク・ワークトップ・収納を好みで組み合わせてデザインできるキッチンです。間口は最大で3m程度まで対応できるメーカーが多く、キッチンカウンターの高さも身長に合わせて選ぶことができます。
コンパクトキッチンは、間口90~210cm程度のキッチンで、アパートや単身向けのマンション、二世帯住宅などで使われることの多いキッチンです。
収納部は開き扉になっている商品が多い傾向にありますが、扉のデザインは何種類からか選ぶことができます。
セクショナルキッチンは、シンク側とコンロ側で分割されたブロック型のキッチンです。コンロ側は据え置き型のガスコンロを置けるようになっています。
扉のデザインは2種類程度と多くなく、一番のメリットは価格が安いことです。
I型キッチンのメリット
I型キッチンには意外と多くのメリットがあり、応用力の高いキッチンといえます。
価格が安い
キッチンの価格が上がる主な要因は、キッチンカウンターの材質、間口や奥行き、収納キャビネットの数などです。
I型キッチンの間口は大小ありますが、カウンターの形状が変わることはないため、アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンと比較すると、安い費用でキッチンを作ることができます。
狭くてもレイアウトできる
I型キッチンは壁付け型でレイアウトすれば、コンパクトにキッチンをまとめられます。
一方、対面型キッチンは通路を確保する必要があるので、キッチンに面積を費やしてしまうことがデメリットです。
できるだけリビングを広くしたい場合には、I型のキッチンを壁付け型のレイアウトにすると良いでしょう。
間口のバリエーションが幅広い
I型キッチンは165~360cm程度と、間口のバリエーションが幅広いことが特徴。壁の隙間なくピッタリ納めるための部材もあるので、サイズにこだわりたい方にもI型キッチンはおすすめです。
ステンレス天板を選べる
セラミックカウンターや定番の人造大理石カウンターも人気がありますが、根強い人気があるのがステンレス製のカウンターです。
ステンレスは丈夫で傷がつきにくく、熱に強いのが特徴。ワークトップとして使い勝手の良い材質です。
規格品のアイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンは、基本的にステンレス製のカウンターを選ぶことができません(特注や造作キッチンでは可能な場合もあります)。
キッチンカウンターをステンレスにしたい場合は、I型キッチンを選びましょう。
I型キッチンのデメリット
I型キッチンのデメリットは多くありませんが、動線が長くなりやすい、生活感が出やすいことが懸念されます。
動線が長くなりやすい
キッチンの動線を考える上で重要なのが、ワークトライアングルの考え方です。ワークトライアングルは、シンク・コンロ・冷蔵庫の3点を結んだときに「正三角形」の形に近いと動きやすいと言われています。
I型キッチンは、シンクとコンロが横並びのため、冷蔵庫の配置によってキッチンの作業動線が変わってきます。
例えば、冷蔵庫がキッチンと横並びの配置の場合は、動線が長くなるので注意が必要です。
キッチンの間口が大きい場合は横移動の距離が長くなり、使いにくくなることが懸念されます。
I型キッチンの場合、冷蔵庫はシンクとコンロの背面にレイアウトできると良いでしょう。
レイアウトによっては生活感が出やすい
I型キッチンを壁付け型にした場合、キッチンの状態が丸見えになることがあります。
リビングとの位置関係によっては、LDK全体が落ち着かない空間になってしまうこともあるでしょう。
I型キッチンは壁付け型にも対面型にもできる
アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンは、キッチンカウンターが対面側にも伸びており、その分コストが高くなりやすいレイアウトです。
実は対面型キッチンは、I型キッチンでも作ることができます。I型キッチンを対面キッチンのレイアウトに配置し、周囲に腰壁カウンターを造作すれば、対面型キッチンとして使うことが可能です。
アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンは、キッチンカウンターの上や手元を隠すことはできません。
しかし、I型キッチンの場合は造作カウンターの高さを高く作ることで、キッチンカウンターや手元を隠すことができます。
対面キッチンでありながら、手元を隠せるのは大きなメリットになるでしょう。
まとめ
I型キッチンを上手に活用するポイントは以下の通りです。
・I型キッチンを壁付け型として使うとLDKを広く使える
・I型キッチンを壁付け型にする場合は、シンクとコンロの背面に冷蔵庫を配置する
・I型キッチンは腰壁カウンターを作れば、対面キッチンにできる
I型キッチンを活用して、リフォーム費用を抑えながら理想のキッチン空間を作りましょう。